解けなかった問題をどうするか
定期試験が終わると、どこの学校でも間違えた問題をやり直したノートを提出することになっているようです。
試験が終わったあとにできなかったところを見直すのはとても大切なことです。が、どのくらいそれが効果的にできてるのか、少し心配になりました。「解答を読んで解き方を確認し、それをノートに再現する」だけでは不十分だと思います。間違えたり解けなかったりする理由は様々です。「定義が身についてなかった」「公式や定理がどんなときに成り立つのか理解できてなかったために、適切に用いれなかった」「計算ミスをした」「条件を見落としていた」など、いろいろ考えられます。そしてそれらの原因によって、立てる対策も変わってくるはずです。解けなかった問題ではない別の問題にあたるほうが効果的なこともあるでしょう。
授業ではこういうことを話すのですが、ひとりで自分の答案と向き合って分析するのは難しいかもしれない、ということで、しばらくの間高1と高2の授業では「間違えた問題の原因を探り、対策を考える」ということをやっていこうと思います。
20.12.08 高2
対数の定義とその性質について確認しました。
「を何乗するとになるか」という問いから始めます。これは「をみたすの値は何か」と言い換えることもできます。
このの値の存在は指数関数のグラフから確認でき、との間にあることもわかります。しかしその値は具体的に表現できないのでと書くことにします。つまり、の値は、の値はに等しい、というわけです。
これはちょうど「乗するとと等しくなる正の数」をと書くことにしたのと同じですね。
数学では、ある特徴をもった数を記号で表現することがあります。新しい記号が出てくると難しく感じるかもしれませんが、まずはその意味を自分の中に落とし込みましょう。そうすれば難しさはかなり軽減されるはずです。
20.12.02 高2
期末試験をはさんで図形と方程式。はじめに試験の答案を見ながら「図形の問題なので計算に走る前に図をかいて状況を整理しましょうね」というようなお話をしたり、今回の反省点を聞くなど。
授業はふたつの円の位置関係と軌跡の基本。
円は「とにかく定義をもとに考える」座標平面上の軌跡は「条件をみたす点の座標と座標の関係を式で表現する」ってことを何度も伝えました。
20.11.23 高2
前半はふたつの円の位置関係と束についての問題。後半は軌跡の基礎。
軌跡は「どんな図形になるか」を考えるので、それまでの「図形がはっきりわかっていて、それらの性質を使う問題」よりも難しくなります。
図形を表す式は「図形上の点の座標と座標がみたす関係」です。つまり座標平面上における軌跡を求めるというのは「条件をみたす点の座標と座標の関係を式で表す」ということです。この視点の有無は大きいように思います。
「軌跡とは何か」「軌跡を求めるとはどういうことか」を押さえて問題に取り組みましょう。それが思考の拠り所となります。
20.11.20 高3
下書きのまま更新するのを忘れていました…。
1問目は空間ベクトル(鹿児島大2019年度)。(1)は点と点を通る直線上の点の座標。(2)は球と直線が共有点をもつ条件。点と球面の関係に注目。(3)は点と点との中心で作られるの面積。ベクトルでの表現も「底辺×高さ×1/2」からの繋がりを納得しておきましょう。
2問目は複素数と方程式(岡山大2016年度)。1の3乗根について。(2)のの値はと具体的に求めれば見えてきます。
20.11.18 高2 20.11.19 高1
いずれも試験範囲の内容について演習。
20.11.16 高2
図形と方程式。前回に引き続き円と直線の関係について。こんな問題を扱いました。
点を通る円の接線をかいてみると下図のようになります。
つまり、は2本あって、そのうち1本の式はで接点の座標はだとわかります。もう1本の直線は右上がり(傾きは正)で、接点の座標は第4象限にあることもわかります。このように、まず条件から読み取れることを集めて(場合によっては答えを予想して)解き進めるのがよいと思います。
また、「円の接線の式はこうやって求める!」という方法だけ覚えるのはおすすめしません。所詮求めるのは直線の式なので「直線の式を求めるには何が必要か?」ということから考えたいですね。「直線の式」「円とその接線の関係」など、これまで学んできたことを繋げましょう。